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気候変動は、先進国、開発途上国を問わず、国境を越えて取り組むべき喫緊の課題です。今すぐ具体的な対策を講じなければ、地球の未来にとって取り返しがつかない結果につながる恐れがあるのです。今日、天候の変化や海面水位の上昇、異常気象など、世界中ですでに気候変動の影響が顕在化しています。その影響は、農業生産、飲料水の確保、生態系保全、エネルギー供給、インフラなどあらゆる分野に及びます。こうした分野への影響は、特に脆弱な生活環境に置かれている貧困層にとって深刻な被害をもたらします。
食品廃棄や有価物の投棄等の行為は資源の浪費にほかならず、持続的開発を阻む要因となります。
目標 12 では、より少ない資源を使いながらも、良質でより多くのものを得るような生産と消費の形態が求められます。そのためには、生産工程における廃棄物の発生を抑えること、消費者側にリサイクルやリユースへの協力を求めることなどが必要になります。産業界、消費者、政治家、メディア、地域共同体などを動員して、持続可能な生産と消費の形態を作ってゆくことが目指されます。
目標 10 では一国の中における不平等、さらに国家間の不平等に関する問題を取り上げています。
性別や年齢、障害、人種、民族などを理由とする差別は、国内の所得格差の是正を進めるうえで妨げとなります。機会均等を測る取り組みが必要とされます。先進国と途上国の間の経済格差を是正するため、途上国輸出への特別な待遇や、途上国への資金流入の促進が求められます。
目標 9 は、産業化を持続的経済成長と持続可能な開発の主な原動力の1つであると認識しています。
過去数十年を振り返ると、東アジア、東南アジア諸国は目覚ましい発展を遂げました。この原動力となったのは、インフラ、産業、イノベーションです。SDGs では、誰一人取り残さないとの理念を掲げており、2030 年迄、脆弱な国家(後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国)の支援が必要となります。特に、製造業の発展の兆しが見えないサブサハラでは厳しい状況です。
経済活動は就業する一人一人の働きにより成り立っています。長期的に経済成長を続けるためには、産業の多様化やより生産性の高い産業の拡大を図っていく必要がありますが、その一方で、それらを担う人々が獲得する収入や健康、教育、就業機会などの面において、著しく不利な立場に置かれる人たちをなくし、皆が適切な生活を持続的に営んでいけることが重要です。言い換えれば、収入やその他の面における不平等は長期的な経済成長を阻害します。したがって、目標 8 では、持続可能な経済成長の達成とともに、そのために不可欠な要件である包摂的かつ持続可能な雇用の拡大を目指しています。
エネルギーは、我々の経済活動・社会活動の基礎的なインフラ設備であり、すべての人々が有する生存権を行使するために必要不可欠なサービスの 1 つです。全ての人々が、教育・医療へのアクセス等の確保や、生活水準の向上といった、持続的開発の影響を享受し、よりよい暮らしを実現するために、最低限のエネルギーへのアクセスの確保は、第一に必要となります。
水は陸から海に流れて循環しています。世界の人々はその循環する水の約 1 割を農業・工業・飲料水・生活用水に使用し(内、農業 9 割)、また自然の水循環に流しています。従って地球全体としては、水は十分にあります。不足するのは水の季節変動や地理的偏在に加えて、富の偏在に起因しています。すなわち水不足は当該地域で上下水道を整備・維持する体制、技術、予算があるかどうかに左右されます。
ジェンダー平等の実現は、すべての人が自らの能力を最大限に発揮するための機会を享受するにあたって不可欠です。
またそのことは、持続可能な社会を築くためにも必要な基盤となります。
現在、教育は持続可能な開発にとって最も有効かつ効果的な手段の一つであると広く認識されており、人々が貧困状況から脱却し、自立した人生を送るためには必要不可欠なものと考えられています。そこで、本目標では、すべての人に包摂的で公正な質の高い教育を提供することが目指されています。
すべての人が生涯に渡り健康的な生活を営めるよう定められたのが、この目標3です。
「あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」を目指しており、妊産婦や乳幼児の健康、HIV/AIDS、マラリア、結核といった感染症の抑制、またすべての人々が医療、保健サービス、医薬品アクセスができるようになることなどが求められ、それに対して13項目のターゲットが定められています。